「西郷隆盛」の検索結果

  • もうここらでよか

    西郷隆盛

    武士

  • 策略は日常的にすることではない。
    はかりごとをめぐらしてやったことは、
    あとから見ると善くないことがはっきりしていて、
    必ず後悔するものである。

    ただ戦争において策略は必要なことであるが、
    日常的にはかりごとをやっていると、
    いざ戦いということになったとき、
    同じことはできないだろう。
    蜀漢の丞相であった諸葛孔明は、
    日頃策略を用いなかったから、
    戦いのときに
    思いもよらないはかりごとを行うことができたのだ。

    私はかつて東京を引き揚げたとき、
    弟(従道)に対して、
    私はこれまで少しもはかりごとをやったことがないから、
    跡は少しも濁ることはないだろう。
    それだけはよく見ておくようにと言いおいたことがある。

    西郷隆盛

    武士

  • 正しい道を踏み、
    国とともに倒れてもよい
    というほどの精神がなければ、
    外国との交際を成し遂げることはできない。

    外国の強大なことに恐れをなし縮こまり、
    ただ円満に事を収めることを主として、
    自国の真意を曲げてまで、
    その国のいいなりになるのなら、
    軽蔑や侮りを受け、
    親しい交わりがかえって破れ、
    しまいにはその国に制圧されるに至るであろう。

    西郷隆盛

    武士

  • 過去の功績のご褒美として役職につけるのは、
    善くないことの第一である。
    功績のある人には俸給をあたえて賞し、
    役職はそれにふさわしい人物にあたえよ。

    西郷隆盛

    武士

  • 賢人がすべての役人を統轄し、
    政権が一つの方針に進み、
    国の体制が一つにまとまらなければ、
    たとえ有能な人物を登用し、
    自由に進言できるようにして、
    多くの人の考えを取り入れるにしても、
    どれを取捨するのか一定の方針がなくては、
    行うことは雑でまとまりがなく、
    とても成功どころではない。

    昨日出された政府の命令が、
    今日には変更になるというようなことも、
    統轄するところが一つでなく、
    政治の方針が決まっていないからである。

    西郷隆盛

    武士

  • 政治で特に大切なことは、
    教育文化を盛んにし、
    軍備を充実させ、
    農業を奨励するという三つである。

    その他のさまざまな事柄は、
    すべてこの三つのものを実現するための手段である。
    この三つのなかで、
    時勢によって優先順位が変わることもあろうが、
    この三つのものを後回しにして、
    それ以外のことを先にするということは、
    決してあってはならないことだ。

    西郷隆盛

    武士

  • 国民の上に立つ者は、
    いつも心を慎み、
    普段の行いを正しくし、
    驕りや贅沢を戒め、
    つつましくすることに努め、
    仕事に励んで人々の手本となり、
    国民がその仕事ぶりや生活を
    気の毒に思うくらいでなければ、
    政府の命令は行われにくい。

    しかし今、
    維新創業の大事なときだというのに、
    家を贅沢にし、
    衣服をきらびやかにし、
    美しい妾を囲い、
    金を蓄えることを考えているならば、
    維新の理想を達成することはできないであろう。

    今となっては、戊辰の正義の戦いも、
    ただ私利私欲を満たすための戦いとなり、
    世の中の人々に対し、
    また戦死者に対して
    面目ないことであると言って、
    西郷先生は涙を流された。

    西郷隆盛

    武士

  • 広く諸外国の制度を取り入れ、
    文明開化をめざして進もうと思うならば、
    まず我が国の本体をよくわきまえ、
    道徳心を高めることに努め、
    そのうえで、
    徐々に外国の長所を取り入れるべきである。

    ただみだりに模倣すると、
    国体は衰え、徳も廃れて、
    救いようがなくなってしまい、
    結局は外国の支配を受けるようなってしまうのである。

    西郷隆盛

    武士

  • 人間の知恵を開発するということは、
    愛国の心、忠孝の心を開くことなのだ。
    国に尽くし、家のために勤めるという
    道が明らかであれば、
    すべての事業は前進するであろう。

    耳で聞いたり、目で見たりする分野を開発しようとして、
    電信を架け、鉄道を敷き、蒸気機関車を造る。
    こうして人の注目を集めても、
    どういうわけで電信、鉄道が必要なのかを考えもしないで、
    みだりに外国の盛大なことをうらやむ。
    利害得失を議論することなく、
    家屋の作り方からオモチャに至るまで一々外国の真似をし、
    贅沢の風潮を助長する。

    財産を浪費するならば、
    国力は衰え、人の心は浅はかで軽々しくなり、
    結局日本は破綻するよりほかないであろう。

    西郷隆盛

    武士

  • 西洋の刑法は、
    もっぱら戒めることを目的とし、
    むごい扱いを避け、
    善良に導くことに心を注ぐことが深い。
    だから獄中の罪人であっても、
    緩やかに取り扱い、
    教戒となるような書籍を与え、
    場合によっては
    親族や友人の面会も許すということだ。
    西洋のこのような点は誠に文明だと感じるものだ。

    西郷隆盛

    武士

  • 税を軽くして国民生活を豊かにすれば、
    国力を養うことになる。
    だから国が多くの課題を抱え、
    財政の不足で苦しくなったとしても、
    税の定まった制度をしっかり守り、
    政府や上層階級が損を我慢して、
    下層階級の人々を苦しめてはならない。

    西郷隆盛

    武士

  • 会計出納はすべての制度の基礎である。
    国家事業はこれによって成り立ち、
    国家運営の最も重要なことであるから、
    慎重にしなければならない。

    そのあらましを申すならば、
    収入をはかって支出をおさえるという以外に手段はない。
    年間の収入によってすべての計画を定め、
    会計を管理する者が一身をかけて定まりを守り、
    予算を超過させてはならない。

    そうでなくして時勢にまかせ、
    制限を緩慢にし、
    支出に合わせて収入をはかるなら、
    結局国民に重税を課するほか手はなくなるであろう。
    もしそうなれば、
    一時的に事業は進んだように見えても、
    国力は疲弊して救い難いことになるだろう。

    西郷隆盛

    武士

  • 常備する兵数についても、
    会計の制限の中で対処すべきで、
    虚勢を張ってむやみに兵隊を増やすことなど
    決してしてはいけない。

    兵士の心を奮い立たせて、
    すぐれた軍隊をつくりあげれば、
    たとえ兵の数は少なくても、
    外国との折衝は堂々として、
    あなどりを受けるようなことはないであろう。

    西郷隆盛

    武士

  • 節操を貫き、道義を重んじ、
    心清らかで恥を知る心を持つ。
    これを失うようなことがあれば、
    決して国家を維持することはできない。

    上に立つ者が下の者に対して自分の利益を争い求め、
    正しい道を忘れるとき、
    下の者もみなこれにならい、
    人の心は財欲にはしり、
    日に日に卑しく、節義廉恥の志を失い、
    親子兄弟の間ですら財産を争い
    互いに敵視するようになるのだ。
    このようになったら
    何をもって国を維持することができようか。

    徳川氏は将兵の勇猛な心を抑えて世を治めたが、
    今の時代は昔の戦国時代の勇将より
    もっと勇猛な心を奮い起さなければ、
    世界のあらゆる国々と対峙することはできないのだ。

    普仏戦争の際、フランスが
    三十万の兵と三ケ月の食糧を残して降伏したのは、
    あまりにそろばん勘定にくわしかったがためである。

    西郷隆盛

    武士

  • 自分に克つには、
    あらゆる事柄を前にして、
    はじめて自分に克とうとしても、
    そうやすやすとはできないものだ。
    ふだんからその心がけを持って、
    自分に克てるようにしておかなければならない。

    西郷隆盛

    武士

  • 人を相手にせず、
    天を相手にせよ。
    天を相手にして、
    自分の誠を尽くし、
    人を咎めたりせず、
    自分の真心が不足していることを認識すべきなのだ。

    西郷隆盛

    武士

  • 自分を愛する(甘やかす)ことは、
    最もよくないことである。
    修業ができないのも、
    ことが成就できないのも、
    過ちを改めることができないのも、
    自分の功績を誇って驕り高ぶるのも、
    みな自分を愛することから生ずることであり、
    決して自分を甘やかす心を持ってはならない。

    西郷隆盛

    武士

  • 人材を採用するとき、
    君子(徳行の備わった人)と小人(徳のない人)との
    区別を厳格にし過ぎると、
    かえって害を引き起こすものである。
    というのは、
    世の中で十人のうち七、八人までは小人であるから、
    よくこのような小人の長所をとり入れ、
    これを下役に用い、
    その力を発揮させるのがよい。

    西郷隆盛

    武士

  • 人が踏み行うべき道を実践するのに、
    身分が尊いか卑しかなどといったことは
    まったく関係がないことだ。

    昔、尭・舜(中国古代の伝説上の帝王)は
    国王として政治の一切を行っていたが、
    二人の本質というのは、
    正しい道を人々に教える教師である。

    孔子は魯の国をはじめどこの国にも用いられず、
    何度も困難な苦しい目に遭い、
    身分の低いままに生涯を終えたが、
    三千人の子弟は、
    みな教えられた道を実践したのである。

    西郷隆盛

    武士

  • 人が踏み行うべき道を実践する者には、
    困難な苦しいことはつきものであるから、
    どんな難しい場面に立っても、
    そのことがうまくいくかどうか、
    その身が生きるか死ぬかといったことなど
    どうでもいいことなのだ。

    物事をなすには上手下手があり、
    物によってはよくできる人、
    あまりできない人もある。
    そのことに動揺する人もあろうが、
    天の道を実践するという点では上手下手もなく、
    できないという人もないものなのだ。

    だから、ひたすら道を行い、
    道を楽しみ、
    もし困難に遭い、
    それを乗り切ろうと思うならば、
    ますますその道を実践し楽しむという心を持つがいい。

    私は若い時から、
    困難という困難に遭って来たので、
    今はどのようなことに出会っても
    動揺することはない。
    それだけは幸せである。

    西郷隆盛

    武士

  • 普段から踏み行うべき道の実践を心がけていない人は、
    大事に直面すると狼狽し、
    正しく対処できないものだ。

    たとえば、近所で火事が発生したとき、
    普段から心構えのできている者は動揺することなく、
    てきぱきとこれに対処することができる。
    しかし、普段から心構えのできていない者は、
    ただ狼狽して、
    うまく処理することなどできない。

    それと同じことで、
    普段から道の実践を心がけている人でなければ、
    大事に直面したとき、
    すぐれた対策はできない。

    私は先年の戦い(戊辰戦争)の出陣の日、
    兵士に向かって自軍の備えが十分であるかどうか、
    ただ味方の目で見るのではなく、
    敵の心になって一つ突いて見よ、
    それこそ第一の備えであると指示したことがある。

    西郷隆盛

    武士

  • 人を言いくるめて、
    陰でこそこそ事を企てる者は、
    たとえそれがうまくいったとしても、
    物事を見抜く力のある者から見れば、
    醜いことこの上もない。

    人に提言するときは、
    公平かつ誠実でなければならない。
    公平でなければ、
    すぐれた人の心をつかむことはできないものだ。

    西郷隆盛

    武士

  • この世の中で後の世でも信じ仰がれ、
    喜んで従おうとするものは、
    ただ一つ誠の心だけである。

    昔から父の仇を討った人はたくさんいるが、
    その中でひとり曾我兄弟だけが、
    今になっても子どもや女性にいたるまで、
    知らないものがいないのは、
    多くの人にぬきんでて誠の心が厚いからである。

    誠の心がないのに世間の人から誉められるのは
    偶然の幸運に過ぎない。
    誠の心が厚ければ、
    たとえその当時に知る人がなくても、
    後の世に必ず理解してくれる人があらわれるものだ。

    西郷隆盛

    武士

  • 世間の人がいう機会とは、
    たいてい思いがけずに得た幸運のことを指している。
    しかし、真の機会というのは道理に適い、
    時の勢いを正しく把握して行動する場合のことだ。

    かねて天下国家を憂える真心が厚くないのに、
    ただ時の弾みに乗って成功した事業は、
    決して長続きはしないものだ。

    西郷隆盛

    武士

  • 漢学を勉強した者は、
    ますます漢書から道を学ぶのがよい。
    人が踏み行うべき道は、
    この天地のおのずからなる道理であるから、
    東洋・西洋の区別はないのである。

    もしも現在の万国対峙の形勢について
    知りたいと思うならば、
    漢書の「春秋左氏伝」を熟読し、
    さらに「孫子」で補えばよい。
    当時の形勢も今の情勢とほとんど大差ないだろう。

    西郷隆盛

    武士

  • 急速は事を破り、寧耐は事を成す。

    西郷隆盛

    武士

  • 思い切ってやりなさい。
    責任は私がとる。

    西郷隆盛

    武士

  • 小人は己を利せんと欲し、
    君子は民を利せんと欲す。
    己を利する者は私、
    民を利する者は公なり。
    公なる者は栄え、
    私なる者は亡ぶ。

    西郷隆盛

    武士

  • 正論では革命をおこせない。
    革命をおこすものは僻論である。

    西郷隆盛

    武士

  • 命もいらぬ、名もいらぬ、官位も金もいらぬ
    というような人物は処理に困るものである。
    このような手に負えない人物でなければ、
    困難を共にして、
    国家の大業を成し遂げることはできない。

    しかし、このような人物は普通の人の眼では
    見抜くことができぬと言われるので、
    それでは孟子が

    「仁という広い家に住み、
    礼という正しい位置に立ち、
    義という大道を歩む。
    もし、志を得て用いられたら
    民と共にその道を行い、
    志を得ないで用いられなければ、
    独りでその道を実践する。
    そういう人は、
    どんな富や身分もこれを汚すことはできないし、
    貧しく身分が低いことによって心がくじけることもない。
    力をもってもこれを屈服させることはできない」

    と言っていますが、
    このような人物が
    いま仰せられたような人物のことでしょうかと尋ねると、
    その通りだ、真に道を行う人でなければ、
    そのような姿にはならないものだと答えられた。

    西郷隆盛

    武士

  • 何度も何度もつらく苦しい経験をしてこそ、
    人の志は初めて堅くなるのだ。
    真の男は玉となって砕けることを本懐とし、
    志を曲げて瓦となって生き長らえることを
    恥とせよ。

    我が家の遺訓。
    それは子孫のために良い田を買わない、
    すなわち財産を残さないということだ。

    西郷隆盛

    武士

  • 過ちを改めるには、
    自分が間違いを犯したと自覚すれば、
    それでよい。
    そのことをさっぱり思いすてて、
    ただちに一歩を踏み出すことが大事である。

    過ちを犯したことを悔やんで、
    あれこれと取りつくろおうと心配するのは、
    たとえば茶碗を割って、
    そのかけらを集めて合わせてみるようなもので、
    何の役にも立たぬことである。

    西郷隆盛

    武士

  • 大きなことでも、
    小さなことでも、
    道理にかなった正道を踏み、
    真心を尽くし、
    決して策略を用いてはならない。

    西郷隆盛

    武士

  • 主君への忠義と親への孝行、
    他人にめぐみいつくしむという
    徳目の実践を促すことこそ、
    政治の基本である。

    これは、未来永劫、世界のどこにおいても、
    不変かつ大事な道である。

    西郷隆盛

    武士

  • 文明というのは、
    道理にかなったことが広く行われることを
    褒め称えていう言葉であって、
    宮殿が荘厳であるとか、
    衣服がきらびやかだとかといった、
    外観の華やかさをいうものではない。

    もし西洋が本当に文明の国ならば、
    未開の国に対しては、
    慈愛の心をもって接し、
    懇々と説きさとし、
    文明開化に導くはずであろう。

    ところが、そうではなく、
    未開蒙昧の国に対するほど、
    むごく残忍なことをして、
    自分たちの利益のみをはかるのは
    明らかに野蛮である。

    西郷隆盛

    武士

  • 人が踏み行うべき道は、
    この天地のおのずからなる道理であるから、
    学問の道は敬天愛人(天を敬い人を愛する)を目的とし、
    自分の修養には、
    つねに己れに克つことを心がけねばならない。

    己れに克つための極意は、
    論語にある「意なし、必なし、固なし、我なし」
    (主観だけで判断しない。無理押しをしない。固執しない。我を通さない)
    ということだ。

    総じて人は自分に克つことによって成功し、
    自分を愛することによって失敗するものだ。
    歴史上の人物をみるがよい。
    事業を始める人が、
    その事業の七、八割まではうまくやるのであるが、
    残りの二、三割を終りまで成し遂げる人の少ないのは、
    はじめはよく己れを慎んで、
    事を慎重にするから成功もし、
    名も世に知られるようになる。

    しかし、成功して名も知られるようになると、
    いつの間にか自分を愛する心が起こり、
    恐れ慎むという心が緩み、
    驕り高ぶる気持ちが多くなり、
    成功したことを自惚れて、
    何でもできるという過信のもとに、
    出来の悪い仕事をしてついに失敗する。

    これはすべて自ら招いた結果である。
    だから、自分にうち克って、
    人が見ていないときも聞いていないときも、
    慎み戒めることが大切なのだ。

    西郷隆盛

    武士

  • 国が辱めを受けるようなことがあったら、
    たとえ国が倒れようとも、
    正道を踏んで道義を尽くすのが
    政府本来の仕事である。

    戦の一字を恐れ、
    政府本来の使命を果たさないのなら、
    商法支配所といった
    商いの元締めというようなもので、
    もはや政府ではなくなってしまうだろう。

    西郷隆盛

    武士

  • 昔から、主君と臣下が
    共に自分は完全だと思っているような世に、
    よい政治が行われたという例はない。

    自分は完全な人間ではないと考えるからこそ、
    下々の言葉も聞き入れることができる。
    自分が完全だと思っているとき、
    人からその非を指摘されるとすぐに怒るから、
    賢人や君子も、
    そのような人を助けようとはしないのである。

    西郷隆盛

    武士

  • どんなに制度や方法を論議しても、
    その適任者がいなければうまく行われない。
    その人あって初めてその方法が行われるのだから、
    人こそが第一の宝であって、
    自らがそういう立派な人物になろうとする
    心がけが大事なのだ。

    西郷隆盛

    武士

  • 学問を志す者は、
    広く学ぶという心がけが必要である。
    しかし、ただそのことのみに偏ってしまうと、
    身を修めることがおろそかになっていくから、
    常に自分に克ち、
    身を修めることが大事である。

    広く学び、同時に自分に克ち、
    男というものは、
    どんな人でも受け入れるくらいの度量が必要で、
    人から呑まれてはしまってはいけない。
    古語にも次のようにあろう。

    物事を成そうとの意気込みを広く持つ者にとって、
    もっとも憂えるべきことは
    自分のことをのみはかり、
    けちで低俗な生活に安んじ、
    昔の人を手本として、
    自分からそうなろうと修業をしないことだ。

    では、その古人を目標にするというのは
    どういうことですかと教えを請うと、
    徳をもって天下を治めた
    尭・舜(中国古代の伝説上の帝王)を理想とし、
    孔子を教師とすることだと答えられた。

    西郷隆盛

    武士

  • 人が踏み行うべき道は、
    この天地のおのずからなる道理であり、
    人はこれにのっとって実践すべきものであるから、
    何よりもまず、
    天を敬うことを目的とすべきである。

    天は他人も自分も区別なく愛されるものであるから、
    自分を愛する心をもって
    他人をも愛することが肝要である。

    西郷隆盛

    武士

  • 人が踏み行うべき道を実践する者が、
    世間の人がこぞってそしっても
    決して不満をいわず、
    世間の人がこぞってほめても
    自分に満足しないのは、
    信念が厚いからである。

    そのような人物になるには、
    唐の韓愈の書いた「伯夷頌」
    (忠義の士、伯夷・叔斉兄弟をほめ称えたもの)を熟読して
    しっかり身につけるべきである。

    西郷隆盛

    武士

  • 人が踏み行うべき道を実践しようとする者は、
    偉業を尊ばないものである。

    北宋の司馬温公(司馬光)は、
    寝床で語る言葉さえ、
    人にいえないようなことはないといわれた。
    独りを慎むということの真意は
    いかなるものであるかわかるであろう。

    人の意表をつくようなことをして、
    一時的にいい気分に浸るのは、
    未熟者のすることで、
    戒めなければならないことだ。

    西郷隆盛

    武士

  • 聖人や賢人になろうとする志がなく、
    昔の人が行った史実をみて、
    とてもこのようなことは自分にはできない
    というような心であったら、
    戦いを前に逃げるよりも、
    はるかに卑怯なことだ。

    朱子(南宋の儒学者)も抜き身の刀を見て逃げる者は
    どうしようもないといわれた。
    真心をもって聖人・賢人の書を読み、
    その行いの根底にある精神を、
    自分の心身で体験するような修業をしないで、
    ただ成人・賢人の言葉や行いを知ったところで
    何の役にも立たない。

    私は今、人のいうことを聞くに、
    いかにもっともらしく論じても、
    その行いに精神が行き渡らず、
    ただ口先だけのことであるならば、
    少しも感心しない。
    実際に行動する人を見ると、
    実に立派だと感じるのである。

    聖人・賢人の書を
    むなしく知識として読むのであったら、
    たとえば人の剣術を傍観しているのと同じで、
    少しも身につかない。
    身につかなければ、
    万一立ち合えと言われたら、
    逃げるよりほかないであろう。

    西郷隆盛

    武士

  • 今の人は、
    才能や知識があれば、
    事業というのは思いのままにできると思っているが、
    才能にまかせて行うことは、
    危なっかしくて見ておられない。

    しっかりした内容があってこそ
    物事は立派に行われるものだ。
    肥後の長岡先生(熊本藩家老の長岡監物)のような君子は、
    今は似ている人ですら見ることができなくなった、
    と嘆かれて次の古語を書いて与えられた。

    天下は、誠にあらざれば動かず、
    才にあらざれば治まらず。
    誠の至る者その動くや早し。
    才のあまねき者その治むるや広し。
    才と誠と合して、
    しかる後事なるべし。

    西郷隆盛

    武士

  • 西郷先生に従って、
    犬を走らせて兎を追い、
    山谷をめぐり歩いて終日狩りをして過ごし、
    一軒の農家に宿を借り、
    風呂から上がって、
    爽快きわまりないといったご様子で、
    ゆったりと、
    君子の心はつねにこのようにさわやかなものであろうと思う、
    と言われた。

    西郷隆盛

    武士

  • 自分の身を慎み、心を正して、
    君子の体を備えていても、
    事にあたって、正しく対処できない人は、
    木の人形と同じだ。

    たとえば、突然数十人の来客があった場合、
    どんなにもてなしたいと思っても、
    前もって器具や調度の備えをしていなければ、
    ただおろおろと心配するだけで、
    もてなすことなどできはしない。

    つねに備えをしておくなら、
    何人であろうとも、
    数に応じてもてなすことができよう。
    だから、普段の準備が大事なのだといって
    次の古語を書いてくださった。

    文は鉛と板のことをいうのではない。
    必ず事を処する才がある。
    武は剣と楯のことをいうのではない。
    必ず敵をはかる智がある。
    才智のあるところは一箇所のみなのだ。

    西郷隆盛

    武士

  • 物事に取り組む際、
    自分の思慮の浅さを心配することはない。

    およそ思慮というものは、
    黙って座り、
    静かに思いをめぐらしているときに
    すべきことである。
    そのようにすれば、
    有事のときには、
    十のうち八、九は実行されるものだ。

    事件に遭遇して、
    はじめて考えてみても、
    それは寝ているときに夢の中で
    奇策やすばらしい思いつきを得たとしても、
    朝起きたときには、
    役に立たない妄想のたぐいが多いのと同じである。

    西郷隆盛

    武士

  • 世の中で、
    人からそしられたり
    誉められたりするといったことは、
    塵のように儚く
    消え去ってしまうものである。

    西郷隆盛

    武士

  • 徳に勤むる者は、
    これを求めずして、
    財自から生ず。

    西郷隆盛

    武士

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